【敏感肌とは】お肌と上手に付き合うポイント
今回は「敏感肌」の解説と改善方法をご紹介します。
敏感肌の原因-バリア機能について
皮膚の構造
皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3層から構成されています。皮膚の一番外側にある表皮は、厚さが平均0.2mmととても薄い膜で、4つの層からできています。敏感肌に関連しているのは、この表皮の一番外側にある角層です。角層は厚さ平均0.02mmの薄さながら、バリア機能と保湿機能という大切な役目を果たしています。
バリア機能の役割
バリア機能には以下の2つの働きがあり、保湿機能によって角層に潤いを保ちます。
バリア機能の3つの要因
お肌には通常、水分を保つ機能がそなわっていて、お肌の表面は皮脂膜で覆われています。また、角層細胞の中では、NMF(天然保湿因子)が水分を抱きかかえ、さらに角層細胞の間は細胞間脂質がすき間を埋めることで肌の水分を保っています。皮膚のバリア機能には、「細胞間脂質」「NMF(天然保湿因子)」「皮脂膜」が重要な役割を果たしているのです。
バリア機能の低下
ところが何らかの理由でこれらの組織が破壊されると、角層内部に隙間ができ、そこに保たれていた水分が蒸発してしまいます。すなわち、皮膚のバリア機能が低下し敏感な状態になってしまうのです。
内的要因 | 生活環境の変化による心理的疲労、ストレス、睡眠不足、栄養バランスの乱れ、偏食、暴飲暴食、生理、妊娠、更年期障害など |
外的要因 | 紫外線、温度・湿度の変化(季節の変わり目)、花粉、汗、ほこり、ダニ、金属、衣服、マスク、化粧品などの外用剤など |
敏感肌予防&対策-生活習慣
ストレスや偏った食生活、睡眠不足や疲労などが原因で、肌のターンオーバーが乱れてしまうことがあります。ターンオーバーが乱れると細胞間脂質などの保湿成分が作られにくくなってしまい肌のバリア機能が低下してしまいます。原因は1つだけでなく、いくつかの要因が重なっていることが多いため、生活習慣の見直しが重要です。
食事 | 食べ物を見直し、1日3食バランスよくとりましょう。栄養バランスが崩れるとお肌にも影響します。 |
睡眠 | 睡眠不足はお肌の免疫力が下がり、肌荒れやニキビの原因に。成長ホルモンは寝ている間に分泌されるため、睡眠時間が足りていないと成長ホルモンの分泌量が減少します。新陳代謝も滞り、肌の細胞分裂が進みません。 |
禁煙 | タバコはビタミンCを破壊すると言われており、しみやしわの原因になります。 |
敏感肌予防&対策-スキンケア
敏感肌のお手入れには、皮膚を清潔に保ち、バリア機能を正常に保てるような毎日のスキンケアが重要です。
スキンケア製品は正しく使う
どんな基礎化粧品も自己流の使い方ではせっかくの効果が半減してしまうこともあります。使用する手順や使用量など説明書をよく読んで正しい使い方をまもることが大切です。
化粧水の正しい使い方
使用量は500円玉大程度が適量です。量が少ないと顔全体になじませることができず、保湿が十分に得られません。
NGな使い方
✕ 化粧水の後に乳液などでフタをしない
✕ 手を洗わないで化粧水を塗る
✕ 強くパッティングをする
これらの1つでも当てはまる場合は、お肌へ悪影響を与えているかもしれません。お肌は常に優しく扱う意識をしましょう。
そのときの自分のお肌に合った化粧品を使う
様々な要因で日によって肌の調子も変わり、昨日まで問題なく使えていた化粧品が使えなくなることもあります。スキンケア後にピリピリしたり、顔が赤くなる症状は、皮膚が炎症を起こしているサインです。
監修:コアフロント商品開発M
大学院まで6年間生体医工学について勉強後、コアフロント株式会社のコスメ事業部に入社。日本化粧品検定1級、化粧品成分検定1級取得。新商品から既存の商品の改良、クリニック独自のオリジナル化粧品の処方製造や営業を担当。皮膚科の先生の声を聞きながら商品に触れることができるため、視野が広がりより良い商品ができていると実感。今後も安心して使い続けられる、また日々変化する環境に合わせた効果実感の高い商品開発を目指し研究を重ねている。
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